続ビンボ講座 その1 スタートはビンボなのよ

最も危ないのは組織に属して給与生活をすることである、と何度も書いている。

オカネの立場から見ると、ということです。

そんなこと言ったって、ぼくがやりたいことってカネがかかるので会社の研究所じゃないとできないんです。

口を尖らせて、眼鏡を光らせて、きみは言うであろう。

あるいは、やりたい学問をやらせてもらって、給料までもらってるんだから「恩の字」ですよ、という人もいるはずです。

最近、デタラメな人物がおおいので、だいぶん話題になっている「非常勤講師」という制度は、調べて見ると、多分、もともとは会社のエンジニアやなにかを退職して、技術を理解して、教えることにも興味がある、という退職者に教壇に立ってもらって、是非、うちの学生に伝授してやってほしい、という大学側の要望でできたものであるようでした。

パート大学教師ですね。

ところが主に人文系を中心として、日本の人の大学信仰を悪用する大学と個人が、わらわらとあらわれた。
嚆矢は、どうも、バブル時代にあるみたい。

日本には781という冗談みたいな数の大学がある。
学問世界のコミュニティは、そんな大所帯をうけいれる余地はないので、
当然、アカデミア世界の外にある大学、という不思議な存在が日本には、たいへんな数で存在している。

しかも、旧帝大みたいな大学からも、次から次に学生が卒業してしまって、いわば孵化して、たとえば神学科では神主の娘婿くらいしか就職先がないので、どんどん非常勤講師になります。

アカデミア世界外に存在する大学は、そうやってアカデミアコミュニティと共存している。

再び調べて見ると、非常勤講師というのは、極めて日本人的な渡世で、大学は給料は雀の涙ほども出さないが「肩書き」を提供する。

アルバイト教師が肩書きになるんですか?って、きみ、日本人じゃないでしょう?

アメリカ人?
イギリス人?

えっ? ニュージーランドに住んでいるイギリス人だって?

うそでい。
ニセガイジンなんじゃないの?

ともかく、大学という名前がつけばありがたいものだと反射的に考える「学問のすゝめ」以来の近代日本の伝統に忠実な国民感情に順って、あとは非常勤講師の保安官バッチを使って、勝手に稼ぎな、ということになっている。

この日本社会の滑稽さをフルに活かしたバイトは便利至極で、なにしろ実態は卯建のあがらない中年男で朝から晩まで「別アカ」をつくって、その何十だか何百だかの、とんでもない数のアカウントを操って、自分の嫉妬の対象である人間たちを激しく中傷する。

旧帝国大学教授、なんてのは、ここを先途とバカにしてみせる。

考えてみればすぐに判るが、単なる自称の哲学者で、すっかり自分でも研究者気取りで、やってることはただのネットのゴロツキそのまんまのトロル行為だが、頭のなかでは「聖戦」だということになっていて、有頂天なので、

「おまえは勉強が足らない。まともな研究者がいうことではない。勉強しなおしてこい!」とSNSで叫ぶと、われにもあらず、胸がすっとする。

なんだかおもしろがって長くなってしまったが「勤める」といっても「肩書き代として教壇に立つ」ということまでが含まれるわけで、一概には言えないわけです。

ここでは、そういうフクザツなお勤めを述べようとしているのではなくて、オカネのために真剣に働くひとたちのことを思い浮かべている。

She Works Hard For The Money.

ドナ・サマー。

ドナさん、やっとシンガーとしての実力が再評価されて、これからだ、というときに肺がんで死ぬなんて、ちょー残念。

煙草なんて、喫わない人だったのに。

現代社会のラットレースそのものが、どのようにデザインされて、どんなふうに機能しているかは、その希望のない苛酷さとともに、いままで何度も書いてきたことではあるし、この記事を読みたいと考えた人は、「じゃあ、どうしたらいいの?」への応えを最も求めているでしょうから、おもいきってラットレースそのものの歴史性は省いてしまおう。

ひとことだけ述べると、いまの日本の根本的な問題のひとつは、収入と消費のぎりぎりの均衡をめざしてデザインされたラットレースに、あろうことか、巨体にものをいわせてのしかかる強姦魔のようにして、日本的な意味での「派遣業」を上乗せしたことです。

あんな「派遣業」って、日本にしかないのよ。

あれでは工事の朝、「立ちんぼ」が集まってくる小路に行って、人夫を集めて、派手にピンハネする暴力団と変わらない。

いま書いてから気が付いたが「ピンハネ」の原義は「1割はねることなので」、システムエンジニアなどで、どうかすると逆に1割しか渡らない日式派遣業は、やくざよりひどい商売だということになる。

いくら技能をいかしたくても派遣はやめましょうね。

ラットレースから抜け出るための第一の心得は、「おれは勤め人ではないのだ。これは世を忍ぶ仮の姿で、ほんとうは独立自尊の人なのよ」と自分に強く言い聞かせることです。

職場から心理的距離をおおきく取るといい。
出来れば職場での友達もつくらないにこしたことはない。

ランチタイムは、さっさと職場の人間が来ないコンビニに行って、豚まんでもいい、おにぎりでも構わない、出来ればからあげクンと焼き鮭おにぎりの黄金定食が望ましいが、そうそう贅沢はいっておれないので、やむをえず、昆布のおにぎりひとつを、ひとり、ベンチに腰掛けて噛みしめるのでも、いいのではなかろーか。

とにかく!

職場では孤独であることです。
仲間つくっちゃダメよ。

上司に憎まれると嫌がらせされるので憎まれるのは困るが気に入られるのは、もっと困る。

きみは有能だから正社員でどうですか?などと言われたら翌日は、ふけて、職場放棄をするのがよいとおもわれる。

そんなところで、「うん」などと言おうものなら、人生おわりですから。

で、言うまでもないが、徹底的に出費は切り詰める。
「おーい、お茶」なんて浪費の極みなので、お茶は、自分の家でポットに詰めてもっていく。

通勤も自転車がいいよね。
電車なんて、わざわざオカネを払って、ぐふふのおっちゃんに身体を触られるだけじゃない。

やむをえない事情があれば、まさぐりに来た、ぐふふおやじの手を、おもいきりつねるためのプライヤーを握りしめて電車に乗ってもよいが、
ほんとうは自転車がよい。

交通費は会社が出してくれるんで、という考えかたは、会社のおもうつぼで、そんなものは会社にくれてやればよいのです。

で、ここからがおそろしい。

百円でも二百円でもいいから貯金するのですよ。
銀行の口座にはいると数字になってしまうので、出来れば豚ちゃん貯金箱か、箪笥預金がよいであろう。

毎月、爪に火をともして、あっちっち、指先焼いちゃったよ、をしながら、数万円でよい、小金が貯まったら、出来れば毎月株式を買うのが、このあいだちょっと考えてみたが、いまの時点ではビンボ人にとってのゆいいつの投資経路であるようです。

銘柄で買うよりもETFがいい。
ここでは詳しくは説明しないが、いまの株式の世界は、コンピュータとソフトウエア、数学理論を駆使して高度な投資を行うひとびとの支配下にあるので、なんの数学知識もないトーシロのきみが、いくら「勉強」してみたって、カモがネギの背負い方を懸命に学習しているにしかすぎなくて、意味がない。

銘柄のパフォーマンスを研究するくらいなら、どんなETFが、その時点で最も有利か、調べたほうが、ずっと良い投資に結び付きます。

毎月の少額株式購入には名前がついていて、ドル・コスト平均法、という。
ビンボから抜け出そうとしている人にとっては欠点よりも利点が遙かにおおきい投資方法で、ほかにビンボ人むけの投資法はないと言ってもいいくらい。

ところが、不運なことに、日本でドル・コスト平均法を実行しようとすると、適切なETFが買えない、それよりなにより、手数料がバッカ高い、という欠点がある。

では、どうすればいいかというと、他国の会社を利用すればいい。
日本では日本語サイトがあり日本語でサポートしてもらえるせいか
Interactive Brokersが、やはり人気がありますね。

要は、最初期はつつましく生きるしかない。

え?そんなfrugalであれ、なんて退屈な、ガメは聖書か、と言われそうだが、他に方法がないんだから、仕方がないじゃない。

次回は、ではどうすればfrugalな生活を楽しんでいけるのか、ということについて書きたい。

ビンボ人のための内面充実講座、みたいになってしまうかもだけど。

 

 

 

 

 



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4 replies

  1. 今回もありがとう。
    その2を楽しみにしています。

  2. ガメさん。記事、いつも楽しみに読ませてもらってます。
    Twitterだとこちらのフォロワーさんにも見れてしまうのでこちらにコメントします。投資家の知り合いが何年も前にコロナを予測してて、ガメさんの感じてるコロナ後の不安「どうも今回は嫌な予感がするんだよ」と同じ事を口にしてたのを思い出してゾッとしたところです。
    ビンボ生活は長いのでサバイバルはある程度心得てるつもりですが😊
    次の記事も楽しみにしてます。

  3. 書いてくれてありがとう。ではどうすればいいのかのその一歩目が、こんなふうに具体的に書いてあることに、とても勇気をもらえます。オカネのこと、一旦直視してみようかと思う。(そしてまずは陶資製のぶたさんと仲良くならねば)。

  4. >「おれは勤め人ではないのだ。これは世を忍ぶ仮の姿で、ほんとうは独立自尊の人なのよ」と

    これを自分に言い聞かせてもう15年ぐらい経ってしまったなあ。そろそろ本当にやめにしないといけない。貯金もないけど。
    もしかして、Jamesには見抜かれていたのだろうか。
    そーであっても、おかしくない。

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