続ビンボ講座 その9 自転車に乗って

 

 

子供時代と遠大な偉業「五年十一回の十全外人遠征計画」のあいだにも、なんだか誤魔化しみたいにチョロッと東京にやってきて強行偵察を行ったり、遠征初期には、四谷に滞在したことは前にも書いた。

若草まやさん @wakakusamaya からリプライがあったのをおぼえているから、ブログ記事でなくてtwitterのほうだったはずだが、四谷から市ヶ谷へ旧陸軍本部の近所を通ってスィーと滑るように朝でかける快感を述べたら、まやさんが、わたしはその頃、その道沿いのマンションに住んでいた、というので、なんだか悪事が露見したような気持ちになったのをおぼえている。

またやったのか、って?
違いますよ。

いろいろやったんだけど。

地下鉄で移動する、というのも初期にはやってみたことがあったが、あれは危ない。
やたらとあちこちで頭をぶつけて、しかもぶつけてないときは背を屈めていなければならないことも多いので、クビが痛い。

満員ぎゅうぎゅう詰め自体は、たいして気にならなくて、日本の都市通勤電車や地下鉄の乗客は、性犯罪者とお行儀がチョーいい人の混淆から成っているのが世界的に知られているので、しかもおおぜいいる車中の性犯罪者たちは、たいていちっこい男のひとびとで、手出しをすれば踏みつぶせそうなひとびとなので、なんだか押しくら饅頭をして遊んでいるようなもので気にならなかったが、階段でこけてあやうく足の骨を折りかけたりしたこともあって、すぐに、「地下鉄」は頭のなかから消去される存在になっていった。

 

そうするとタクシーと自転車だが、タクシーの運転手さんたちは比較文化の話が大好きで、めんどくさいので、自然、自転車が増えていきました。

後年、モニさんと一緒に東京に滞在したときはタクシーが多かったのが記事から窺われるが、あれはですね。
乗るなりいちゃいちゃちゅっちゅっしはじめて、タクシーの制帽も凜々しいおっちゃんが、「この腐れガイジンどもが、アクセル床まで踏み抜いて電柱にぶつけちゃろうか!」という怖い顔で睨み付けるだけで、ガイジンさんがどーちゃらの比較文化講義を始めなくなったからで、ひとりのときは、俄然、自転車がおおかった。

ビンボ生活の制覇はライフスタイルにあり。

自転車、買っちゃえば、あとは運賃ただだからね。

移動は、20kmくらいまでは自転車が望ましい。
20kmというと、だいたい高井戸から日本橋くらいまでです。

安い、いわゆるママちゃりはダメです。
あれで日本を一周した人のブログを読んだことがあるけれども、乗って見ると、疲れる。
おまけにフレームがへにょへにょで、スポークも曲がったりする。

ロードレーサーは、通勤姿がカッコイイ、という利点はあるが、毎朝ジェットスーツを着て通勤するロバート・ダウニー・Jrの趣で、やや大仰で、日本のような社会では通勤姿自体が自己主張をしているように誤解されるであろう。
ま、それでもいいじゃん、という立場もあるけどね。

ロードレーサーには、通勤に使うためにはもっと重大な欠点があって、段差でこけやすいという大都市ではあるいは致命的な性質がある。

タイヤが細いからで、歩道と車道はもちろん、ほんのちょっとした段差でも斜めに横切ろうとすると、かなり高い確率でこける。

しかもこけかたが高速で完全にバランスを失った形で転ぶことになるので、前腕をざっくりいってしまって、数針縫う、という事態を呼びやすい。

いや、ぼくのところは家から会社までサイクルレーンがあるもんね、という人もいるであろうし、わしのAUDI は最高時速80kmのe-bikeなのでクルマよりも速いんだよん、車道でもぶっちぎりでクルマを引き離してくれるわ、という人もいるであろう。

でもここでは医療費なんて臨時支出は死んでも出ないし、AUDI? すかしてんじゃねえよ、てめえ、おれが女だとおもってなめてんのか、なビンボ講座なので、やはり、定石に従ってマウンテンバイクを選択するのがよいとおもわれる。

クロスバイクでも悪いとは言えないが、クロスバイクはカベルネ・ソーヴィニヨンのようなもので、中途半端で、あとあと満足が得られないのではないか。

マウンテンバイク、タイヤが太いからなかなか進んでくれないけどね。

東京にいたときに、あまりにころころ法律や条令と運用が変わるので、日本橋の交叉点で、たまたま隣に立った制服お巡りさんに「どういうときに車道で、どういうときは歩道でもいいんですか?」
と訊いたら、正直な人で、クビを傾げながら、正直いってわたしたちも判らないんですよねー、標識があるときには、それに従ってください、とう程度ですかね、と述べていたが、いまは、どうなのか?

ちょっと話を急ぐと、車種は、せめて、台湾のGIANTくらいがよい。

GIANTがいいのは、この会社はOEM部門がおおきくて、世界中の有名マウンテンバイク会社の製品は実はGIANT製、という例が多いんです。技術が高くて、割安である。

西洋人たちが「ニッポン、すごい。ハイテクハイテク。あんたがいちばん!」と日本の人をおだてまくってきたために、日本の人のほうでも誤解してしまっている人がおおいようだが、日本が技術的に遅れをみせはじめたのは、最近のことではなくて、企業が基礎研究を疎かにして、生産ラインのアップデートが間遠になりはじめた三十数年前からのことで、知らぬは日本人ばかりなり、例えばコンピュータと自転車は、当時から台湾の技術に日本が追いつくのは夢のまた夢だった。

当時、熔接に頼らず、一体ダイカストでフレームをつくれたのは台湾だけで、GIANTが、その嚆矢です。

すごいハイテクフレームで、GIANTのフレームと、こちらは職人技の伝統を活かして、いまでも他の追随を許さないシマノの駆動系の組み合わせが最高で、しかも随分安価なのは、いまでも変わらない事情であるとおもわれる。

いま見ると、MERIDAやなんかも出ていて、おー、時代は変わってるなあ、とおもうが、、なにしろ十台以上持ってたからね、わしが自信をもって薦められるGIANTは、いま見ると中古では3万円くらいから、「おお、これでいけるじゃん」というものが並んでいるようです。

ちょっとだけ、オカネがかかるほうの自転車の話をすると、わしは東京では実は、アンドラ公国製のコメンサルという会社のマウンテンバイクと「なんだ、ぜんぜん話が違うじゃん」のピナレロというイタリア製のロードレーサー、それに、ここでちょっとだけ話しておきたいブロンプトンという折りたたみ自転車を持っていた。

このブロンプトンという自転車は、多分、いまでもただ一社だとおもうが、ロンドンの全公共交通機関公認で「持ち込み可」の折りたたみ自転車です。

なれると、ほいっ、とたたんでバスに飛び乗って、降りてまた、ほいっと展開して乗っていける。

レストランに入るのでも持って入ってテーブルの脇においておけばいいだけなので、東京のような都会ではチョー便利だった。

自転車としての特徴は、なんであれスピードが好きで、そのせいでベッドでもたいそう評判が悪い連合王国人ごのみに仕立ててあって、とにかく、速い。

ビュンビュンいけます。

ピュッピュッ

もういってしまったのね。

ただし欠点は、ちょっと高い。
いまみると、いちばん安いモデルで23万円くらい。

うーむ。

あらためて価格表を見ると、ぜんぜんビンボ講座向きじゃないね。

今回は、最も都会のビンボ人向きと思われる通勤方法である自転車について概説を述べたが、もうひとつ、「歩いて通う」という偉大な通勤方法があります。

遠くて無理ですよ、というのが一般的な反応だが、わしなら、冗談じゃなくて、会社やめて職場が近い仕事に変わります。

だって多くの場合、勤める会社なんて、給料だして、さっさと家に帰してくれて、ガタガタ言わなきゃいいだけの存在だもん。

そういう目でみて、友達ネットワークに希望を放り込んでおけば、案外、自分に席を貸してくれる同業種は簡単に見つかるかもしれない。

そういう点でも、ビンボで行こうぜ、と決めて暮らしているあいだ、気楽なものなのではなかろーか。

でわ

 

 

 



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1 reply

  1. ガメさん

    ピュッピュッ (^^;)

    わたしも自転車で通う前提で今の職場選びました(^^)
    往復で25KMくらいでちょーど良かったんだけど、3年前くらいにうちから片道6KMくらいのところに事務所移転してしまって今はちょっと物足りない。

    それまでは雨の日は地下鉄を使っていたがコロナ禍で雨でも自転車OKなようにポンチョを買ってみたらこれが最強、ポンチョと長靴で雨なんてなんてことなくなった。コロナ万歳!

    日本の自転車事情はほかのあらゆる分野と一緒で、人を人と思ってないからあんなクソなママチャリが主流なのが残念。ママチャリはクソである。クソなんかに人が乗ってはいけない。

    e-bikeで乗ってよいのはVANMOOFくらいである。あとは鉄くずです。前後子乗せの電動ママチャリは存在が許されないほどのダメな工業デザインの見本のようなものです。鉄くずなんかにも人が乗っちゃだめですね。こんなことうっかり口走ると村八分にされるだろうけど(^^)

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