レベル4ロックダウン 大混乱篇

欧州にも行かず、アメリカで遊びもせずで、ずっとオークランドにいると、自然と友達が増えていきます。

友達が増えてしまうのは、望ましいことではないが、やむをえないといえばやむをえない。

ニュージーランドは小国なので、小国の社会の雰囲気とはそういうもので、ニュージーランドの社会で著名な人や政治家にも友達が増えるのは、なにしろ世代が同じ30代後半や40代前半の人が多いこともあって、これも自然なことであるとおもわれる。

マリーナに出かけると、たんとたんと(←スペイン語と日本語にまたがった高級なダジャレ)パトカーが、仰山いて、なんやなんや、と驚いたひとたちが金網の外から中を覗いているが、驚くべし、この治安がいいはずの地区で殺人事件が!というわけではなくて、コロナ禍で、てんてこ舞いにならなければ今年結婚するはずの、一緒に住んでいる、いまは家事と育児で忙殺されている首相のボーイフレンドがマリーナのクラブのメンバーなので、ひとりでやってきているか、首相と一緒か、どちらかで、ニュージーランド人は、お行儀がいいので、ほんとうはパトカーがドバッとやってきたりしなければ、知らん顔で首相とふたりで現れて、マリーナのクラブのメンバーも、ふたりに顔も向けず、ヒソヒソもせずに、知らん顔をしているところだが、最近は首相への敵意むきだしの脅迫もあったりして、警備が厳しくなったので、これも、気の毒ではあっても、仕方がないといえば仕方がない。

わしツイートやブログ記事はニュージーランドに住んでいる人が何人か見ている。

ひとりだけ、現実世界でも知っている白いニュージーランド人が混ざっているのは判っているが、残りは日本の人でしょう。

いつも見に来ているひとが、だいたい30人くらい。

あんまり口にしたことはないが、我ながら殊勝にも、この日本の人たちに、ときどきでも役に立つヒントをあげたい、ということは、いつも念頭にある。

ところで、さっき述べたように政府のなかにもお友達が何人も出来てしまっているので、いわゆるインサイダー情報もたくさんあります。

英語人なので、友達だからといって、デヘデヘデヘと他人に言ってはならない情報を垂れ流したりはしないが、新聞やテレビとはだいぶん異なった実相を教えてくれることは、よくある。

たいしたことがない話は、どうしているかというと、ツイートで、知らん顔で、引用してある記事と矛盾することを述べたりする。

勘のいい人なら、直接には言えない、事情がわかるはずだからです。

ところが、ところーが。

今回のレベル4では、政府の内部情報が「間違っていた」ということが起きている。

MIQ(隔離施設)のところで、どうやら、あんまり冗談にできない失策か誤魔化しがあったのでしょう、第一号感染者について、これ以上は書かないが、怪談のようなことになっている。

アーダーン内閣では珍しいことだが、ややパニクっているというか、意志決定にも混乱が起きているようでした。

ジャシンダ・アーダーン首相は、決断力に富み、批判を怖れずに踏み込んで大胆な政策を実行する、天性すぐれた政治家で、敵ながら天晴れというか、たいしたひとだが、デルタ変異株の強烈さは想像力を超えていたようで、特にワクチン政策において、おおきな蹉跌が生じている。

ニュージーランドのなかでもオークランドだけに集中してCOVID-19が猖獗しているのが、救いではあって、例えば南島は、一時、感染者が出たものの、たしか、いまは市中感染者はゼロのはずです。

首都ウエリントンが一桁。

スーパースプレッダーのおっちゃんが休暇をすごして、心配されたコロマンデルが、みんな、良い意味でぶっくらこいたことには、新しい感染者を出さなかったので、問題はほぼ最大都市オークランドに集中している。

記事「レベル4ロックダウン その2」で紹介した、locations of interest、感染注意スポットリストは、たった5日間で、4ページから、453箇所、24ページに増えている。

大雑把に言って、北も西も南も全部感染でボロボロだったオークランドのなかでオークランドセントラル東のRemueraMeadowbankだけが感染者の立ち寄り先を持たずにクリーンな地域として最後まで残っていたが、今回は、家から近い、歩いて行けるレミュエラ・ヴィレッジから東へクルマで2分ほどの、隣のアップランドヴィレッジの商店街を中心に、感染者の立ち寄り先が報告されて、隣に無料公共駐車場があるので便利で、以前はよく立ち寄っていた酒屋や、COVID禍が起きるまでは、やはり駐車の便利が良いので、よく出かけていたロイヤル・オークの巨大スーパーマーケットPAK’nSAVE、夜更けによくチョコを買いにでかけたグリーンレインのスーパーマーケットカウントダウン、普段出入りしてところが軒並み名前を並べていて、ビビりまくり、ビビデバビデブー(注)で、もう絶対買い物にはいかない、と決意させられる。

CCDカメラのひとつに若い女の人が映っていて、なんだか、わし家の、ドライブウエイの脇の茂みに身を潜めている。

自分のすぐ斜め上方にセキュリティカメラがあることには、まるで気が付いていないようです。

ドライブウェイのカメラ、セキュリティ用というより、ドミノピザやUbereatsのクルマ監視用だけどね。

小さい人達やモニと、みんなでモニタをじっと見つめていて、ドミノが傾いたサインを載っけたクルマがゲートから姿を現すと、わあああっ、来た!と叫んで、こけつまろびつ、玄関に受け取りに行く。

念のために述べておくと、「わああああっ、来た!」とお下品な大声をあげてダッシュで走っていくのは、言うまでもない、わしです。

小さい人達は、お行儀がよいので、そんなことはしません。

悪い癖をだして、マイクを取り上げて、カメラに付いているスピーカーから、声をつくって、

「イントルーダー、イントルーダー。各員、警戒位置に付くように」と述べると、びっくりして跳び上がった女の人が「Sorry」と呟いて、立ち去っていった。

いいとしこいて、隠れんぼごっこなのだろうか、とモニに述べていたら、近所のおっちゃんからテキストメッセージが来て、bulimarexiaの女が家のフロントヤードの木の陰で毎日嘔き狂っているので困っている、きみのところには来なかったか?という。

Bulimarexiaというのは、えーと、と思って、いま日本語では何というか調べたら「多食拒食症」と呼ぶらしい。

つまり、思い切り食べては、全部、嘔いてしまう行動を自分の意志では止められなくなる病気です。

あるいはドライブウエイを歩いて行って、郵便箱になんか来てないかなあ、サンタクロースがパンデミックで、ボートにもヨットにも乗れず、飛行機すら飛ばせない、心のやさしい善良な青年(←わしのことね)を憐れんで特別に8月にもクリスマスで、銀座久兵衛の握り鮨セットを届けてくれていたりしないかしら、をしていると、目の前を、わしくらいも背丈がありそうな、でっかいにいちゃんが、ぶつぶつぶつと何事か独り言を言いながら通り過ぎてゆく。

何が言いたいのかというと、わし印象では、オークランド人は、家に籠もりきりでいろと言われて、もともと活動的な人間が多いので、限界に来ているのではないか。

警察友と話していると、家庭内暴力が桁が変わるくらい増えている。

一方で、酒類の売り上げが品切れが続出するほど増えている。

酔っ払うと、へべれけになって眠ってしまう人が多い日本語人と異なって、白い人は、酔っ払うとやたら暴力的になるのは、よく知られた事実だとおもいます。

ニュージーランド人が、むかしから兵士として第一級だという定評があるのは、その並外れた我慢強さに理由があります。

北アフリカの、戦車の装甲の上で目玉焼きが出来る砂漠で、ヒルや疫病が蔓延するソロモン諸島で、ニュージーランド人は、黙って耐え、命令を守って頑強に戦い、黙って死んでいった。

ロンドンからやってきたヘロいわしなどとは、まるで異なって、あんたほんとは日本人なんじゃないの?と言いたくなるくらい我慢我慢我慢で、ひたすら文句も言わずに耐えている。

テキトーでわがままな人間ばかりの英語人のなかでは、出色の国民性で、いつも感心させられるが、しかし、

しかああああーし、

今回ばかりは、もう限界なのではないか。

途中、MIQから逃げちゃう人がいたりで、5ヶ月と言ってみたり、8ヶ月と言ってみたり、小さな単発的な出来事をどう見るかによってニュージーランドのコロナ・フリーの期間は、いろいろに言われるが、おおかたのニュージーランド人の意識の上では、20208月、アーダーン首相の「われわれは遂にコロナに打ち勝った」という誇らしい様子と、語り草になった、首相のbeautiful smileで彩られた勝利演説以来、まる一年に及ぶ、「コロナウイルスがない世界」を楽しんだあとなので、なおさらであるようです。

たった一週間で天と地が逆さまになってしまった。

一週間のはずだったオークランドのレベル4ロックダウンは、もっか、もう一週間の延長ということになっているが、大半の人間の観察は、「もう数週間つづくな」でした。

耐えかねて、わし友のひとりは、夜更けにこっそりスウングモアリングで沖合に停泊させてあるヨットで、家族と一緒にオークランドを脱出していった。

間道を通って、隣のワイカトに逃げちまう人も、どうやらたくさんいるようです。

わしですか?

わしはドラスティックなことをするのは嫌いなので、ゲームデスクの前に座って、淡々と、「死ねええええ、ぶわっかなアメリカ人め、死ね死ね死ね!」とオンラインの向こうのアラバマ人にメッセージを送っている。

向こうからも、「うるせええええ、へたれが、お前こそ死にやがれ」と、律儀で丁寧な、お返事が来る。

興奮の1時間余が終わると、ふたりで、戦況と展開を検証して、次の殺し合いを固く約して、お互いの家庭に戻る。

例の露天風呂で空を見上げながら、オークランドの冬もいいけど、雪が降らないのが難点だのお、と考える。

ラウンジでログバーナーに薪をくべながら本を読み耽っているモニのところにいって、ゴロニャンをする。

特に我慢をしなくても単調な生活で飽きない性格なので、助かっているのだと言われている。

しっかし、どうなのかなあ、パンデミック。

強烈なmutationのせいで、先が見えなくなってしまった。

世界の文明が、変形を余儀なくされるのは間違いないが、せめて、「文明のlongCovid」と後世呼ばれてしまうような決定的な後遺症を起こす事態だけは避けて欲しいものです。

これからやってくる若い世代のために

 

注:

ディズニーの「シンデレラ」に出てくる、わしの好きな歌

Bibidi-Bobbidi-Boo

 

 

 

 

 

 



Categories: 記事

20 replies

  1. あまりに内容と表現法が面白くて、勝手に毎日読ませてもらってます。高校の時初めての海外がクライストチャーチで、ホームステイだったのでなんかこれもまた勝手に懐かしさを感じさせてもらってます

    • クライストチャーチって、おおきな町のなかでは唯一のニュージーランド(オークランドやなんかは、ちょっとNZにあるオーストラリアの町みたいになっている)なので、わしも好きです。

  2. 文明のlong covidというのは怖いですね。我々の社会たちはどう切り抜けられるのでしょうか…

    • もうだいぶんlongCovidな社会になっているよーな

    • いつニュージーランドに行けるのだろう
      旅したいよ
      馬乗りたい 海行きたい
      ビデオかわいいね
      よい日本語は好きだからブログありがとう
      消えた記事も消さなくていいんじゃなーい?
      なんか私ログインしたままになってる?
      試しにぽちぽちしてみたところ

  3. locations of interest見ましたが、大分広がってますね。Botany周辺もチラホラと、、、まずいなぁ、、、。

  4. 日本版のtracerのcocoa、あれはまだ機能してるのだろうか、と言うくらい存在感が無くなってる。
    政府からのメッセージにも出てこない。
    個人同士の接触履歴では、効果が低いのでしょう。

    そうそう、一緒に悩んだ結果、子供にもワクチン打つことにしました。

    • cocoaって、どんなんだろう、とおもっていまみたらアベノマスクみたいなappですね、これ。

      • は、恥ずかしいー。藪蛇でした。

        GPSでなくbluetoothによる個人同士の検知という方式、当初の選択はともかくとして、いまだにそのままというのはあんまりです。

        1mで15分という濃厚接触の定義がおかしいのと、そもそも現状のスマホに載ってるbluetoothには距離を正しく把握する機能が無いので、どうしようもないです。

  5. ポルトガル語でもtanto、ありますよ。
    ボサノバでtanto tantoと出てくると、かわいい響きだなぁとうっとりします。

    • ポルトガル語はスペインのガリシア語でもあるわけだけど、ガリシアに行くと誰もスペイン語と区別してない(^^)

      近縁度がチョー近い言葉なのね

  6. PCR検査とトレーサーなしのワクチン接種依存ではコロナ禍は絶対に抑え込めないのが、あちこちの国で証明されたところです。NZは逆にワクチン接種がひどく遅れていて、いまやっと20%かな?

    デルタ変異種は、ひとつの方法ではなくて、PCR、トレーサー、ワクチン、ロックダウンありとあらゆる手を尽くして、やっとなんとか抑制できるくらい手強い

  7. このまえの2つの記事、削除してしまったのね。あとでコメントしようと思っていたら消えていたわ。

    NZもけっこう(今までに比べれば)混乱しているのね。首相に脅迫って…

    いろいろ書きたいことがあるんだけど、ひとまず今日は、チャーリーの喪に服してます。

    また。

  8. ずっとお伺いしてみたかったことがあるので、勇気を出してコメント欄に初めて書き込みします。ブログを時々覗きに来ては読ませていただいている、ニュージーランド在住の日本人です。
    お伺いしたいのは、どうして労働党は物凄く反移民なのでしょうか?ということです。
    コロナへの対応は素晴らしいですが、”Team of 5 million”, “be kind”と言いつつも短期ビザの外国人への扱いが本当に酷いので、どうしてだろうと。
    「我が国は低技能の移民を入れすぎてきた。移民がインフラを圧迫し、移民が住宅不足を起こし、移民が賃金を押し下げている。このコロナが”Once-in-a-generations-opportunity”であり、Immigration resetをして、高技能の移民を入れるのだ」とScapegoatingな発表をNashがFaafoiの代わりに五月にしていましたが、そこから政府がしたことといえば「低技能」職についていることが多いワーキングホリデーの人達のビザの延長、Essential Skill Work Visaの賃金のレベルで「低技能」とされてる人たちのビザ申請のStreamliningで、真逆のことばかりです。
    法整備は既にされているのに短期ビザの外国人へのEmergency Benefit受給資格を与えるのに八カ月もかけ、自殺者を出し、ゼロコロナの時に隔離施設の空室が大量にあったのに国外にいる家族の入国を拒否し続けたり…。

    私はNZに夫ともう七年住んでいますが、まだ永住権が取れていません。取れそうになったら基準を変えられるので、ワークビザを何個も取っていて、そういう人達がたくさんいます。
    今年後半にはようやく永住権申請できる申請を満たすのに、移民局はコロナ前からのバックログが凄すぎていまだに2019年11月に出された申請を審査している状態なので、今では申請を提出してから結果が出るまで27ヶ月です(医師や看護師などの資格職、あるいは年収が110K以上あれば優先されるので二ヶ月ほどで結果が出ますが…)。27ヶ月も待ちたくないので、ニュージーランドは大好きですが、コロナが落ち着いたらカナダにでも行こうかと考えています。
    国境を閉めていて新しい人材が入ってこれず、ロックダウン前は毎日のように”Labour Shortage”の文字がニュース記事に踊っていて、国内にいる人材を留めおくのが最善なのに、どうしてこんな中指を見せる真似ばかりするんだろう?と不思議で仕方ありません。FBにあるNZの移民たちのページを見ていると、とてもたくさんの人達が「NZに来るんじゃなかった。選択を間違えた」と怒り、失望し、悲しんでいます。
    とても長文になり、すみません。いつも更新を楽しみにしています。

    • まず第一に、ぼくは移民ビザの問題について、あんまり詳しくなくて、新聞や友人との日常会話に出てくる程度のことしか判りません。

      市民権のほうは友人のひとりが内務省なので、愚痴ばかり聞かされていて、やや詳しく知っていますが、永住ビザは「最近は、ずいぶん厳しくなったそうだ」という程度のことしか知らないんです。

      自分自身の永住ビザ→市民権については「おまえみたいな人間は故国UKを追い出されるかも知れないから」という余計なお世話で、両親に言われた家宰さんが、すべて取り仕切ってくれて、永住ビザのときはNZ大使と雑談、市民権は内務省に出かけて、テキトーな話をして終わりでした。

      ひとつには、そういう、のんびり時代だったのですよね。

      いまは一転して、ものすごく厳しいと聞いています。

      英語国が「英語が話せる高技能移民以外、移民を受けいれなくなった」、という世界的な背景があって、そのなかでも昔は移民希望者からミソッカス扱いだったNZが、特にインドの人のあいだで、謎の超人気で、ずいぶん狭い門になったのだと聞いています。

      オーストラリアも、もうめっちゃ厳しくなっていて、4年前だったかな?日本からオーストラリアのSAに移住したミナ @MinaMaedaが、2年前には、「もう今年だったら、わたしもダメだった」と述べていた。

      イギリス人たちのあいだの移住希望者にとっても事情は似たようなもので、母語が英語なので、やや有利なようですが、それでも永住権をあきらめるしかなくなったひとが、たくさんいるようです。

      おおざっぱにいうと労働党は庶民の気持ちを反映していて、国民党は(常に移民の単純労働力を必要としている)事業主・農園主たちの利益を代表していますが、最近では国民党もNZ産業のIT化がすすむにつれて高技能移民限定に傾いているようです。

      当然、移民を希望する側は反感がつのります。
      インド人友などは叛乱を起こしかねない勢いですが、ぼくは世界が急速にグローバリズムの幕をおろしにかかる嫌な予感が指定います。

      NZでもついに、ほかの英語国なみに永住権者も居住権取り消し・国外追放できるようになりましたが、「それなら、いったい『永住』の意味は何なのか」と移民達はたいへん不平を募らせています。

      どこの国でもビザをゆるくすると移民排斥の極右が擡頭するという事情もありますが、いまは、COVIDのせいで事務も大混乱で、申請する側はたいへんですよね。

      ただNZという国は、事態を改善する速度も速いので、移民がもっともっと必要に決まっている以上、数年もあれば解決するでしょう。

      言うことだけ聞いていると労働党も国民党も「このやろー」と思いますが、あれで以外と、公平な解決にもっていく気持ちがあるんです。

      どうか、信じてやってください

      • お早いお返事、ありがとうございます!とても嬉しいです。

        永住権は、ワーキングホリデービザで七年前にNZに来た時でも今よりはかなり緩かったのですが、夫が「永住権を取りたいと思うほど好きになれる国か分からないから、しばらく暮らしてから考えたい」とのことだったのですぐに永住権申請をせずにいました。そうこうしているうちにどんどん厳しくなり、特に与党が労働党になってからは経験豊富な移民局スタッフを人員整理で辞めさせたり、Criteriaの頻繁なルール変更と審査期間が6カ月から27ヶ月になり散々で…。

        市民権を取るのも以前は簡単だったのですね。今はResident class visaを取ってから五年経たないと取れなくなったので、数年かかるみたいです。でも、おっしゃる通りNZだけでなくどこの英語圏も厳しくなっていますね。カナダはコロナからの経済回復策として積極的に移民を受け入れているみたいですが…。NZは永住権取り消しが可能になったとはいえ、一度取ってしまえば有効期限がなくて、オーストラリアやカナダみたいに数年ごとに取り直しなどなく(今のところは)、そこはまだありがたいです。

        インド人にNZが人気なのは、NZ政府が”Pathway to Residency”, “Study here, get residency and settle here”とNZでの留学を宣伝し、Offishoreにいるエージェントが永住権取得は難しいという実態を伝えず人を集めてNZに送って、荒稼ぎしているからだとNZの移民が集まるFBグループでインド人が投稿しているのを見ました。彼らはそれを”Education trafficking”と呼んでいました。そういうエージェントを政府は取り締まっていないそうです。

        インド人がかなり怒っているのは感じます。オークランドCBDでこれまで何度も政府への短期ビザの移民への処遇改善を求めるデモがあり、私も数度足を運びましたが、インド人が多かったです。最近の回の参加者は中国人もかなり増えていましたが…。

        世界が急速にグローバリズムの幕をおろしにかかる嫌な予感は私も持っています。ニュースアウトレットの記事を見ていると、国境閉鎖以降は大衆からのNo migrants, no kiwi returnees, no foreignersなコメントばかり目につきます。NZだけでなく、日本でもオーストラリアでもで、これが文明のlong covidなのかなと暗澹たる気持ちで眺めています。

        事態が解決するであろう数年後に私はNZにまだいるかは分かりませんが、苦しんでいる移民達が救済されるよう祈っています。

        ご返信、本当にありがとうございました。今オークランドは大変ですが、ガメさんもどうか健康にお過ごしください。

      • NZの永住権は他国と異なり選挙権があったりして市民権とほとんど変わらないのが結果としてハードルを高くした、というところもあるのかも。7年間問題を起こさず住んでいるというのは審査する側からするとおおきなプラスポイントなので、途中、紆余曲折があっても永住権ビザおりますよ、きっと

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