コロナと一緒

 

臀筋が痛い。

しりがあああ、しりの筋肉が切れるうううう

と述べていたら、今度は、両腕の筋肉が痛くなってきた。

咳がときどき出る。

喉が、ひっかかる。

それって、covid(コロナ)なんじゃない?

とモニさんが眉を顰めて心配しています。

新聞に書いてあるBA.5の症状と、なるほど一致している。

BA.5、知ってますか?

Business After 5 とちゃいまんねん。

オミクロンの変異株ですね。

症状が元祖オミクロンとは、おおきく異なる。

初期には感染力が強い代わりに重症化しないという説をなす人がいたが、

感染者数が50001万と増えるにつれて、どんどん死に出して、

死に顔がおだやかだ、くらいしか言いつのれなくなっていった。

台湾系友と話していたら、台湾も同じなんだぜ、と述べていたが、

いったんはコロナ終熄宣言を出して、やったやった、わーいわーい、

明日から、ハグありキスあり、あんないけないことや、こんな夫に内緒なこともできるぜ、と喜んでいたのもつかのま、

長くとって1年、短く厳格にとれば7ヶ月、「コロナのない世界」で過ごしたあとで、なんせ国がビンボに戻ってしまったので、国が依存している観光を復活させようとして、クロス・タスマン、オーストラリアとのボーダーを全面開放した途端にcovidウイルスが到着して、

再び拡大した。

だーから、ゆったじゃないの、人の言うこと、聞きなさいよ、とおもったが、後の祭り

なにしろ世界一と言われたチョー厳しいレベル4ロックダウンをはじめ、耐え難きを耐え 忍び難きを忍び 以て五百万同胞の為に健康を保たんと欲す、あれもダメこれもダメ、ええええー、ワナカに不倫旅行に行っちゃったの?

社会のエリートとして許しがたい、有罪を宣告します、で、ゼロコロナ政策だったので、いまさら、またコロナ対策やるの?

もうダメ、わたしはコロナ離婚までして頑張ったんですよお、やめてください、これ以上虐めないで、ということになって、

簡単に言うと、政府も国民も挙げて、「もう知らんわ」になった。

結果ですか?

はっはっは。

判り切ったことですがな。

新規感染者は、どどどどおんと増えて二万を越え、病床は半分以上埋まり、

フューネラルパーラーは大忙しになった。

ニュージーランドではワクチン接種とPCR検査も元々タダだったが、RATs

Rapid Antigen Testsも無料です。

ただし無料キットはクルマで取りに行かねばならなくてめんどくさいので、出前会社に配達してもらうほうが普通でしょう。

いまみると、レストランやカフェ、テイクアウェイ店と並んで、唐突な、目立つ感じで、RATs配送無料、と書いてある。

5個で3499ドル

無料のキットを取りに行くよりも、こっちのほうが多そうです。

うーん、どうしよう、と考えてるうちに、ワインを飲んで楽しくなって寝てしまった。

ニュージーランドという国は、それが美点で、英語の伝統がしぶとく生き残っている国らしく、understatementで、新聞に盛んに記事が出たりはしなくて、知らない人が観ると、コロナの影響がない国だなあ(アメリカ友談)と思うらしいが、とおおおおんでもない、言わないだけで、

もう大打撃を通り越して、特にいったんコロナフリーを宣言したあとの感染拡大では、もう死んでるのに鞭でぶたれているというか、もう勘弁してください、お願いだから、もう責めないで、これ以上は無理ですというか、オークランドの南と西に分布する貧困地区では、ただでさえ酷い家庭内暴力が荒れ狂って、女の人達が顔を腫らしておおきなサングラスをかけていたり、ギャング同士が俄に売れ行きをのばした麻薬の縄張りをめぐって抗争を激化させて、毎晩のように銃をぶっ放して争っているし、高級住宅地はお上品にお静かに暮らしているかといえば、ぜんぜん、そんなことはなくて、離婚が激増して、例えば3年前に大学(←ニュージーランドでは大学は3年制なので、ほとんどキャンパスに行かないうちに卒業してしまったことになる)に入学した若いひとびとの気持を考えれば判らなくはないが、娘や息子が家庭内で暴れだして、わし家は近所の家から距離的にはかなり隔たっているが、それでも、

「このクソおやじ、おまえが、どんな父親らしいことをやったって言うんだよ。なんでもいいからカネくらい寄越しやがれ」と怒鳴る声が聞こえてきたりして、阿鼻叫喚、国がまるごと煉獄になりつつあると言うも可なり。

むかし、若いときは、例えばロンドンなら東部にある、シドニーならば、サリーヒルズかな、危ないバーやパブに行くのが好きで、なんとなれば、

そういう、死にたいのかお前、な場所に現れるひとびとは、興味深いひとびとばかりであるのが常で、夜更けになれば決まって喧嘩が始まって、椅子が飛び、テーブルは蹴倒され、といっても、そうなることを見込んでテーブルも椅子も釘付けにされている店も多かったが、頭に血がのぼった酔っ払いのおにーさんが、店内の人間に見境いなく殴りかかり始める、という日常で、

ちょうど暴力を観察するのが楽しくて仕方がなかった盛りで、

ビールをちびちびなめながら、てめえ、ぶっ殺してやる、腕が折れるくらいですむとおもうなよ、と、ほら、日本のチンピラも言うでしょうけど、

両方を比較文化的に観察すると、ですね。

日本の人がやたら凄むわりにはなかなか手をあげないのに較べて、英語人は、殴ってから凄むので、こういうところも文化が異なるのだなあ、と、いつも感心していた。

考えてみれば当たり前で、ニュージーランドは観光立国で、

おまけに外国から来るオカネを目当てにしているので、

コロナは爆弾の親分が落ちてきたようなもので

パンデミックが始まったころは、20年続いたバブル景気のせいで

オカネがいっぱいあって

中央銀行の総裁が、「オカネはいっぱいあるから、どんどん補償だすよお、オオブネに乗ったつもりでいなさい」と、わざわざ声明をだすほどだったのに、いつのまにか、声がでなくなって、会見? ほんとに行かなきゃダメ?

にまで後退してきている。

オカネがなくなってニュージーランド名物ビンボが戻ってきた上に、

われらの首相ジャシンダはんは、なにしろ経済は「そんなもん、よくわからん」の人で、公約を読めば判るが、いまの労働党政権は、左翼も左翼、ばっりばりの左翼で、以前のヘレン·クラークの看板は左翼だけど経済政策は自由主義じゃん、な羊頭狗肉左翼政権とも、だいぶん異なっている。

そのうえに、ですね。

ジャシンダはんは40歳です。

これが何を意味しているかというと、ジャシンダ·アーダーン首相は、ニュージーランドの大繁栄が始まったときには、まだ大学2年生で、

考えてみると、物心ついてから、不景気を見た事がない、どころか、不振経済を観たことがない。

当然、公定利息が10%や11%は当たり前で、するすると25%まで上がってしまったりする、マイナーカレンシイ特有の、ニュージーランドの高金利の伝統も字面で読んで知っているだけなので、いまごろは、あちこちで発生しているビンボを発見して、ぶっくらこいているところだとおもいます。

一方で、ニュージーランドの取り柄といってもよかった「でっかくて頑丈で英語世界一安い住宅」は、いつのまにか「英語世界一高い住宅」になって、このあいだCV(政府の土地価格鑑定)地図をみると、わし家近所には4億円より安い家は、一軒の家を取り壊して1215軒を、ブッ立てて、一軒2億円くらいで売り飛ばす、アコギな「新開発」の家以外には存在しなくなっている。

若い人は、海が綺麗山の緑が深いといっても、稼ぐのが先決で、

家が30年ローンを組まないと買えなくて、賃金がオーストラリアよりも安いニュージーランドにいる理由がないので、どんどんシドニーやメルボルン、ニューヨークやロンドンに引っ越している。

おとなたちのほうも、「ま、当たり前でしょ。おれでも、そうするわ。ちゃんとカネが貯まって、もどってくれればいいけど」くらいで、納得しています。

借金おおすぎしんさくな日本と、理由は異なって、こっちはホームローンかかえすぎしんさくだが、理由は違えど金利があげにくいのはおなじ結果で、

日本の円安どうよう、ニュージーランドも対米ドル安で、ほんとうは68¢72¢が適正な為替レートなのが、このあいだは60¢近くにまで落ち込んでいた。

こちらは子供のときからお馴染みの国なので、

どうってことはないというか経済上の対処は、なにをどうやればいいか判っていて、ひところはアホなおっちゃんやおばちゃんがブイブイ言わせていたりしてくだらなかったのが、もとのおだやかな国にもどりつつあって、返って嬉しいようなものだが、家の転売で稼ぎまくっていた新しい移民の人たちは、たいへんで、これから、もっとたいへんになってゆくでしょう。

クライストチャーチの日系キィウィ晩秋 @debut_printemps

「日本の人もいるみたいよ」と述べていたが、

自信満々で自己破産する、例の、にわか不動産投資家のひとたちの列に加わらないですむといいね、とおもっている。

今週から、わし家は自主的に一週間のレベル4ロックダウンに入ることに決めていて、今年の悪天候で、週末まで嵐がまた続くようでもあるし、海にも出られなくて、家でホットタブに入って「温泉は、ええのお」と独りごちたり、まだ筋肉が痛いが、ジムのトレッドミルで失踪したり、

サムライドラマもついに見飽きたのでスペインのドラマを観ているが、

インターネットを通してテレビっ子になったりして過ごすのでしょう。

読みたい本も、相変わらず長い長いqueueを成している。

外は冬嵐だが、家のなかは静かで暖かくて、窓の外を見なければ暗い不況の世相も、観たくないときは観なくてすむ。

最後に、くだらないことを書いておくと、ここに来て、コロナ拡大に対する対応がエスニックグループ別に明然と分かれてきて、

最もすぐれているのは中国系の人たちで、政府に言われたわけでもないのに、ニュージーランドでは珍しいアクリル板を立て、みながマスクを装着して、人混みを避けて、その辛抱強さ、淡々とやらなければいけないことをこなしていく姿は、驚くばかりで、尊敬を感じてしまった。

なんだか妙なところで、「やっぱり、次は中国の時代だな」と考える。

余計なことは省く、肝要なことは徹底的にやる。

中国の人には民族として集中力が備わっているとしかおもえなくて、

おいらもたまにはマジメにやらんと、だちかんぞ、と考えました。



Categories: 記事

%d bloggers like this: